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E-mail:info@sn-tax.jp

 
会社設立 株式会社、LLC、LLPのメリット・デメリット
 
独立開業する際、一般的には「株式会社」を設立しますが、「合同会社(LLC )」 、「有限会社(LLP )」 の相談も多くなりましたので、株式会社との違いをご紹介します。
 
合同会社の特徴
 
@柔軟な機関設計
 合同会社では、原則として出資者全員が事業に参画しなければならず、事業に参画しないで出資だけを行うということはできません。このように合同会社では、出資者と経営者が一致しているため、監視機能としての役割を持つ株主総会、取締役会、監査役を設置する必要はなく、柔軟な内部機関を設計することができます。
 
◇株式会社、有限責任事業組合との比較◇
 株式会社では、会社を所有している出資者(=会社の所有者)と会社を経営する経営者は一致せず、分離されています。したがって、株式会社では、経営者を監視する機能として取締役会、監査役の設置が義務付けられています。会社法の施行により、取締役会や監査役を設置しないこともできますが、様々なルールが法律で厳しく規制されています。
  一方、合同会社は、有限責任事業組合と同様に、出資者と経営者が一致しているため、柔軟な内部機関を設計することができます。
 
A自由な利益配分
 会社で獲得した利益は、出資者に対して配当という形で分配します。株式会社では、利益の配当は出資割合に応じて行うこととされており、共同事業を行う場合、資金は持っていないが、高いレベルの技術をもっているなど技術、知識、経験などの無形の価値や会社に対する貢献度を考慮した自由な利益分配割合を定めることができないというデメリットがありました。
  そこで、合同会社では、利益の分配割合は原則として出資割合によることとされていますが、これと異なる利益の分配割合を定めることも認められており、出資割合によらない自由な利益の分配を行うことができます。
  ただし、税務上どのような基準による自由な利益の分配割合であれば否認されないかのメルクマールが現時点では明らかでないため、税務上のリスクが存在します。
 
◇株式会社との比較◇
 株式会社では、利益の分配は出資割合に応じて行うこととされており、自由に利益の分配割合を定めることはできません。配当優先株式や議決権制限株式などの種類株式を発行することにより、ある程度利益の分配割合を変えることはできますが、法律で規制された範囲内で発行するという制限があります。
 
◇有限責任事業組合との比較◇
 有限責任事業組合では、利益が生じた場合だけではなく、損失が生じた場合にも各出資者に分配します。分配した損失は、個人出資者であれば他の所得と損益通算し、法人出資者であれば損金(費用)に計上することができます。
  合同会社の場合には、生じた損失は、合同会社の法人税の計算上、翌事業年度以降に繰越すことになります。
  有限責任事業組合は損失の分配が可能であることから、リスクの高い共同事業を行う場合には、有限責任事業組合で事業を行い、発生した損失と他の所得(収入)とを相殺することにより税負担の軽減を図ることもできます。
 
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有限責任事業組合の特徴
 
@柔軟な内部機関の設計
 有限責任事業組合の出資者は全員が業務を執行する権利を有し、またその義務を負います。つまり、出資者は全員が何らかの形で業務執行を行うことが必要とされており、出資のみを行うことは認められていません。
  有 限責任事業組合は、取締役、取締役会、監査役などの機関を置く必要はなく、有限責任事業組合の業務執行に関する意思決定は、原則として出資者の全員一致で行うことになります。この意思決定に関して、組合契約において意思決定の方法を全員一致以外の方法で定めることもできます。
 
A自由な損益配分
 株式会社の場合、利益の分配は出資割合によることとされており、自由な割合で利益を分配することはできません。そこで、自由な損益分配ができる組織として、有限責任事業組合、合同会社が創設されました。有限責任事業組合、合同会社の利益の分配は、原則として出資割合となりますが、これと異なる損益分配の割合を定めることもできます。利益への貢献度、ノウハウ、権利などの無形財産などを考慮した損益の分配割合を定めることもできます。
  ただし、税務上どのような基準による自由な損益の分配割合であれば否認されないかのメルクマールが現時点では明らかでないため、税務上のリスクが存在します。
 
B構成員課税(パススルー課税)
 有限責任事業組合は、民法の組合の特例として創設された組合組織であるため、法人格は認められていません。したがって、有限責任事業組合で利益が生じたとしても、有限責任事業組合自体には法人税は課税されず、損益の分配を受けた出資者に対して税金が課税されます。これを構成員課税(パススルー課税)といいます。
  構成員課税のメリットは、2点あります。
 
(1) 税引後キャッシュの最大化
 株式会社や合同会社のように構成員課税の適用がない法人組織の場合、株式会社や合同会社で生じた利益に対して法人税が課税され、次に法人税を支払った後の税引後利益から行った配当に対して出資者側で所得税などの税金が課税されます。このように株式会社や合同会社では、獲得した利益から出資者の手許に配当金が入るまでに2度税金が課税されてしまいます。これを経済的な二重課税といいます。
  これに対し、有限責任事業組合では、獲得した利益に対して出資者側で1度しか税金が課税されないため、手許に残る税引後のキャッシュが多くなります。
 

(2) 損失の分配

 事業が失敗し、損失が生じた場合にどのような方法でリスク回避を行うかは事業を行う上で重要なポイントです。そこで、2人の出資者が共同事業を行うにあたり、株式会社や合同会社などの法人を用いた場合と有限責任事業組合を用いた場合とで比較してみましょう。
  まず、法人で共同事業を行った場合、その事業で生じた損失は、その法人の内部で翌事業年度以降に繰越すこととされており、出資者自身の所得(収益)とは相殺できません。したがって、翌事業年度以降法人で利益が生じれば相殺できますが、7年以内に利益が生じないときは、その損失は税務上消滅してしまいます。
 一方、有限責任事業組合で共同事業を行った場合、構成員課税により、有限責任事業組合で生じた損失は出資者に分配され、出資者自身の所得(収益)と相殺することができます。有限責任事業組合の損失が出資者自身の所得(収益)と相殺されることにより、税金の課税対象となる課税所得が減少し、税負担が軽減されます。
  このように、有限責任事業組合は、構成員課税により、リスクの高い事業にチャレンジするときの失敗したときのリスク回避を行うことも可能となります。
 
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